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自然栽培で1000本のみかんの木を復活させている「しあわせみかん山」がカッコ良すぎた

2016.10.26

どうも、自由になったサルです。

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今回は高知県の香南市野市町で活動するNPO法人しあわせみかん山の代表である岩間由奈さんに話を伺ってきたレポートです。

 

自然栽培でみかんって作れるの!?

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まず、僕がここへ話しを聞きに行く時に、思ったこととして「みかんを自然栽培で育てるなんて聞いたこともないぞ。」ってことでした。 
 

有機農法や自然栽培での野菜は聞いたことがあったのですが、果樹はとてもデリケートで虫などが来ると商品にならないものばかりができてしまうと言うこともあり、全然聞いたことのなかったことだったので、行くまでは本当に半信半疑だったんですね。 

ですが、足を運んだ先にあったみかんはとても綺麗で、身もしっかりと詰まっていて、木々がなんだか生き生きとした生命力にあふれた空間だったのです。

 

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このみかん、普段スーパーなんかで買うみかんとの大きな違いはものすごく身がしっかりと詰まっていること、また、食べてみないとわからないのですが、程よい酸味と旨味が口の中全体を包み込んでくれるような味わいなんです。

僕はまだ食べごろよりも少し前の青いみかんを食べさせてもらいましたが、本当美味しかった。

自然栽培でみかんってできるだな。

 

このみかんができるまでの道のりが半端じゃなく大変だった。

今年が4年目のみかん栽培、一本の木には何百という数のみかんがたわわに実ったこの木も最初に始めた頃はとても収穫できるような状況ではなかったらしいのです。

 

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今回、話しを聞かせてもらったNPO法人しあわせみかん山の岩間さん。

元々は東京生まれ、東京育ちだった彼女ですが、自然、食べることが大好きでいろいろな経験を経て、7年前に高知県へ移住されてきたそう。
 

そこから、高知での生活をするなかで平成24年に後継者のいなくなってしまったみかん山を引き受け、樹齢40〜50年にもなるみかんの木が1000本もある山を1から再生させてこられたそうなんですね。

 

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参考:FAAVO高知《土の中へダイブ!1000本のみかん山の生命力を取り戻そう!》

1000本のみかん山を上から見下ろすとこんな感じ。

凄まじい広さで、僕たちやったことのない人間からしたら、本当にこれを管理することができるのか?と不安に思うぐらいの本当に広大な敷地。
 

自然栽培に踏み切った時、地域の同じみかん栽培をしている農家山からは「そんなんではできるはずない。」と理解をしてくれる人は少なく、ほとんどは岩間さんともう一人の理解者の方の2名が中心となり、膨大な量の草刈りと膨大な量の剪定作業をやったそうです。

 

みかん山のみかんを出荷する1年目。

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カメムシの大量発生により、出荷予定のみかんがほとんど落ちてしまい、出荷できず。

結局すべてのみかんを絞って、みかんジュースを製造し、サポーターの皆さんに送り届けたのが怒涛の1年目だったらしいです。
 

その後、カメムシの発生などに関しても原因究明につとめ定期的に酢をまいて、カメムシが寄ってこないような対策をこうじて、整備から2年かけて初めてしあわせみかん山で採れたみかんを全国のサポーターの方たちに届けることができました。
 

こうして書いていくととっても簡潔に数年のことを書いているように感じますが、本人の口から直接話しを伺うとみかん山を初めてこれまでの苦労とそれを越すようなポジティブな想いが伝わってきました。

 

全国約400人のサポーターと地域内外のたくさんの人の支援や協力

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最初は自然栽培でみかんを作るなんて無謀だと言っていたあの人も。


今まで関わってこなかったけど、想いを伝えることで協力してくれるようになったあの人も。


全国で毎年送られてくるみかんを待ち望み、ある時にはわざわざ高知へ足を運んでくれるあの人も。

そんな支援のおかげでここまでやってこれたと言っておられたのがとても印象的でした。

一つ一つのみかんがこうした人の想いがこもって、サポーターの方々一人一人の手元に届く。こんな素敵な仕組みを岩間さんは作ってこられたんです。

 

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僕もそんな岩間さんの話しを聞いて、とても共感し”パートナー協定”を結んできました。

これから、みかん山でも若手のボランティアや自然栽培などに興味のある人の受け入れを積極的にやっていきたいそうで、そうしたことで僕の家であるだいちハウスに逃げ込んできた人たちが何か新しいきっかけを見つけられる機会になっても面白いな〜と。

また、これからにつながる面白いつながりを作れました。

岩間さんのレポート→パートナー協定が結ばれました! 

 

新たな挑戦!みかん山の土を再生させるプロジェクトがスタート

みかん栽培はやっとの事で形にできてきたのですが、問題はまだまだありました。

一つが「長年の地下部の詰まりによる、地上の藪化」、そしてもう一つが「地下水脈の衰退」です。

それらが解決されないことには再度カメムシ問題が起こったり、品質の安定化が測れないという問題があるそうなのです。

その問題を解決し、長く続くみかん山を作るには「土」の再生が欠かせないという決断に至り、今年度、本格的に土の再生に着手し始めました。

実は、自然栽培を始めた当初から、あの奇跡のリンゴで有名な木村さんに自然栽培の講師をしてもらっていた経緯もあったそうで、その右腕である熊田さんという方に月一回の講義を受け、土の再生の取り組みを一緒に進めてもらっているらしいのですが、その方法がとても画期的なんです。

 

なかなか言葉で説明するのは難しいのですが、簡潔に言えば水と空気の循環を作り出すことができれば土の藪化を防ぐことができ、また自然と地下水脈が復活していくそうなんですね。

 

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みかんの木を植える前に苗の下に炭や枝、藁などを組み合わせて、苗のすぐ横に竹の筒で穴を開け、空気の入り道を作ってやる、そうした作業をしたみかんの木の周りには、よもぎなどの柔らかく小さな草しか生えなくなり、地下水脈が流れやすい環境を作ることができるんだそうです。
 

難しい農業の技術はわかりませんが、自然の力を最大限利用し、農薬も化学肥料も使わず手間はかかってもこうしたことをコツコツやっていくことで自然は自然らしく力強く生きていくということがとても伝わってきました。

ただ、こうした作業を丁寧にやっていくにはやはりどうしてもお金がかかるということで、現在クラウドファンディングというインターネットを活用した支援の仕組みを活用し、資金を集められています。

支援をするとこの激ウマみかんのセットが引換券として送られてくる仕組みになっているので、ぜひぜひ支援をしてみてください。そして、もしよかったら「しあわせみかん山」に足を運んでみてください。
 

まとめ

ほんと、話しを聞けば聞くほど素晴らしい取り組みだなと思うんです。このままだと、捨てられて耕作放棄地になってしまうはずだった、みかんの山を引き受け、約5年かけて、いろんな逆境にも立ち向かって、時には人ともぶつかって、自然の豊かさも怖さも知って、それでもまだまだ新しいことに挑戦していくこの姿勢がかっこよすぎるなと。
 

また、僕にとってはNPOを立ち上げた先輩にあたる岩間さん。活動に関してだけじゃなくて、経営の話やいろんな人との関わり方なんかも教えてくれました。

そのアツく、ゆっくりと燃える姿に心を動かされ、感動する人は少なくないと思います。こうした素敵な取り組みがこの世の中にポジティブな空気を作っていくのだろうなと。

ぜひ、これからも多くの賛同者、支援者によってこの活動が幅広く繋がっていくことを心から応援しています!

上記で紹介したクラウドファンディング以外にも常時サポーターも募集されています。みなさんの協力によって、しあわせみかん山をもっと素晴らしい環境にしていってほしいですね。
 

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