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【狩猟のリアル】鹿を自分の手で殺し、さばき、食べてわかったこと

2016.05.25

朝、一本の電話がかかってきた。

地元の猟師さんからの電話だ。

僕は狩猟を将来的にできるようになりたいと、猟師さんついて、罠を仕掛けたり山の整備などを手伝ってきた。

しかし、未だに獲れた鹿や猪を自分の手で殺し、捌いた経験はなかった。

「おい、ウサギが獲れたぞ!」

ウサギとはこの猟師さん曰く、鹿のことである。。。(鹿でいいやん。)

「お!本当ですか!」

これまで、なんどかこんな機会が訪れたが、ちょうど何かしらの予定があり、行けずじまいだった。

そして、この日初めて予定が空いており、罠にかかった鹿を捌くまでを体験した。

【注】ここからはグロい表現が含まれているため、見たくない方はここで退出してください。

 

鹿は暴れず、ただそこに座っていた。

急いで支度し、山へ入りました。 

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ざっざっざ。

と、山の中を歩む足は、少し震えていて、緊張していました。
 

肉になった鹿をさばくことはあっても、生きた鹿をこの手で殺すことはしてこなかった僕は、正直命を奪うことへ少し後ろめたい気持ちと怖い気持ちの両方が混じった感覚だったのです。

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途中、「これがいい!」と猟師さんが長い硬い棒をのこぎりで切り出しました。

「これなんですか?」

僕が問うと、即答で、

「これで鹿の頭を殴って、気絶させるんよ。そしたら、ワシが心臓をグサッと…」

不思議と冷静に聞いていたのですが、どんどん近づくにつれて、よく分からない恐怖心が湧いてきました。

僕の住む、だいちハウスでは定期的に鶏をさばく屠殺のイベントをやろうということになっていて、なぜかその鶏の時には感じなかった、得体の知れない恐怖心が湧いてくるんです。

参考:【観覧注意・と殺】僕らは命の大切さを日々感じているだろうか?

「あそこ!みえるか?」

猟師さんがゆび指した先には、60㎏ほどのオス鹿が静かに座り込んでいました。

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一瞬で、苦しまず殺してやらなきゃ。


「ほら、頭を一発で!」

猟師さんが促すように、さっきとってきた棒を僕に渡してきました。

僕は、一瞬「かわいそう。」と思ってしまい、手元をずらしてしまいました。

鹿は「ピギイイ。」と鳴き、苦しそうにしていますが、意識はまだありました。

結局、この後2度も叩かなければ意識を失わせることをできず、目の前で苦しむ鹿を見て、苦しむ自分の姿がありました。

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「まあ、最初はそんなものよ。」

地元の猟師さんはフォローしてくれましたが、僕の中に悶々とした気持ちが残ったのは間違いありません。

「一瞬で、苦しまず殺してやらないとな。」

と、いって、猟師さんはナイフを取り出し、心臓をひとつきにしました。

血がブシューと散った姿を見て、なんだか冷静に「あ、死んだんだな。」と感じました。

 

獣害による駆除には報奨金が出されている。

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猟師さんにとって、鹿やイノシシを狩るのは、肉を食べるという理由だけではありません。

鹿や猪は特に中山間地域の人たちにとっては、自分たちの育てた野菜を食べられたり、畑を荒らされたりするのでそれを防ぐための理由が主なんです。

市町村によって金額は様々ですが、報奨金というものが出されていて、一頭は約10,000円くらいが相場みたいです。
 

僕の教えてもらっているかたは、シーズンで100万ぐらい報奨金で稼いだと言う凄腕の猟師さんなんです…ちょっと別格です。

まあ、こうして報奨金を出して獣害を防がないと、田舎の野菜作りなどの問題がなかなか解決できないということがあるみたいですね。

 

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スプレーで本日の日付を記して、写真を撮って、耳と尻尾を持っていくと報奨金を申請できるらしいです。

 

皮を剥ぎ、足を切り、肉を部位ごとに分ける。

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商品として売るものに関しては加工場に行かなければ衛生管理に引っかかってしまうのですが、個人で食べる分にはこうして綺麗な水の流れる河原でさばくらしいです。

さばく過程を写真で追いたかったのですが、手が血まみれになってしまっていて撮るのが困難でしたので、順序のみ記しておきます。
 

①首あたりから、皮と肉を分けるようにナイフで剥ぐ。
 

②前足、後ろ足も切り皮を全部剥ぐ。


③各部位ごとに骨から剥がしていくように切り取る。

すっごく略しましたが、そんな感じで、終わった頃には、

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大体、こんな感じになっていました。

ほんの数時間前まで生きていた命が、今はこうして骨となり、肉になっていました。

 

ロースト、カレー、唐揚げなど食べ方はさまざま

鹿は赤みがほとんどで、脂肪分がそれほどないのが特徴です。そのため、揚げ物や煮物などにはすごく合うんです!

僕が個人的に好きな食べ方は、ロースト、カレー、唐揚げですね。
 

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ローストは鹿の中でも、背身と呼ばれる、牛で言えばヒレ肉に当たる部分ですね。そこを使うと柔らかくて美味しい、ローストビーフならぬ、ローストヴェニソンができます。

参考:【田舎レシピ】漁師さんから鹿肉もらったので、ローストヴェニソンを作ってみたよ! 

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唐揚げは定番です。モモ肉の筋をしっかりとっておくと柔らかく美味しい唐揚げができるので、手間はかかりますが、絶品ですよ。

 

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カレーは3~4時間コトコト煮込めば、筋なんかも関係なしに食べられる万能料理です!笑

僕は大体カレーにしてたべますね~~。いや、これが牛肉よりうまいかもって感じです。

鹿は結構、臭いのでは?とかって言われることがあるのですが、それは殺し方に問題があるんですよ。

僕に教えてくれている猟師さんは心臓をひとさしで血を抜き、すぐに捌くことで全然臭みのないお肉をとることができます。
なんでも大事なのは血抜きです。血抜き。

 

僕は生きているんだとものすごく実感した。

僕は友だちと共に、鶏の屠殺ワークショップなどを通して、多くの人に命について考えてもらえる機会を作るなどをしてきました。しかし、そこでは感じなかったことを今回感じることができました。

それが、”僕は生きているのだ。”という感覚です。

鹿も必死に生きています。野山をかけ、餌を探して、食べて…それが人間が一生懸命育てた野菜なんだということなんて知らんぷりです。当たり前です。

人間だって、自分が生きるために必死に働き、食べて生きています。

同じです。

どちらが有利なわけでもなく、どちらが尊いわけでもない。

だけど、僕は人間で、自分が生きて行く糧となるものを奪われることはなんとか避けなければならないし、自分自身も食べていかないと生きてはいけません。

だから、鹿でも、イノシシでも、なんでも殺すし、食べます。

スーパーに並ぶパッケージにだって、同じことが言えます。

でも、それを感じ、知り、手に取っている人はほとんどいないでしょう。そして、僕もその一人です。

ただ、今回自分の手で殺し、さばき、たべることで本当の意味で生きているという実感がわきました。

地球に生かされているのだとわかりました。

ありがとう、ごちそうさま。

僕らが生かされている地球をどう守っていこうか…そんなことを考える機会となりました。

 

狩猟に興味がある人へ

この本は、ジビエに関してのイメージを変えてくれる良本です。
 

山賊ダイアリー。この漫画は本当参考になります!狩猟を始める前に一度は読んでおきたい本ですよ!





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