2017.01.28
※この話は事実を元にしたフィクションです。
スクールカーストという言葉を聞いたことがあるでしょうか?
学校内で、特に身分を設けているわけではないけど、勝手に身分があるようにランク付けをされてしまうという不思議な現象。それをヒンドゥー教の身分制度(カースト)になぞらえて、スクールカーストといいます。
実際、これによっていじめが起こったりすると言われており、大きな問題としても取り上げられるようになりました。
今回はこの「スクールカースト」のもうちょっと根本原因となっているのではないかと僕が考えている「部活内カースト」のことについて書きたいと思います。
目次
スクールカーストの頂点は大体「野球部、サッカー部、バスケ部」だという話
ついこの間、知人がこんなことを言っていました。
スクールカーストってあるやん。あれって、特に高校だと部活で区切られること多いと思うんよ!男だと特に、「野球部、サッカー部、バスケ部」がその頂点にいて、卓球部とかソフトテニス部ってその下で、帰宅部が大体最下層なんよな。女子はなぜか、帰宅部が頂点にいる場合が多かったりするけど。
男子でいえば、野球部は坊主頭でガタイがでかく、威圧的な雰囲気を持っているし、サッカー部、バスケ部も背が高くイケメンが多いイメージありますよね。
確かに思い浮かべてみると、そういう現状だった気がする!って思い浮かべられた人も多いんじゃないでしょうか。
特にスクールカーストの起きる主な原因は「空気を読む」ということにあるということから、発言力が強かったり、威圧的だったり、目立つ人たちは大体上の方へと勝手に押し上げられるし、そうじゃない人たちは下へと押し下げられていきます。
スポーツなどで勝敗をつけることでの成功体験を持っている人たちは自己肯定感が高く、発言をすることに対しても自信を持ってすることができますが、成功体験が少なく、自己肯定感が低い人たちはなかなかそうできないという構造が「空気を読む」ということでより強められてしまうのです。
そして、心理的カースト制度が勝手に出来上がっていくのです。
今回は僕が実際に体験したことを元にお話をしていきましょう。
スポーツ系の部活にありがちな、「できる人優位」な構造
部活内カーストのありがちな構造、それが「できる人優位」な構造です。
僕は高校時代、野球部に所属していました。
野球で言えば、結果を出せている人(試合に出て活躍できている)が優位に立ち、試合に出れていない人たちは下になっていきます。(極端に言えば。)
なにかを決めたり、話し合いをする時にでもそのカースト制度はやはり大きく機能して、カーストが下の方にいる人たちは発言すらできない空気になってしまいます。
ただ、この時にとても大事なこと、それはカーストは誰が決めているものでもないという点。
カーストは、暗黙の了解のごとく「空気を読む」という行為から始まるのです。
例外はありますが、一般的にはカースト上位の人が、下位の人へ高圧的な態度を意識的に取っているわけでもなく勝手にそうした構図が出来上がっていってしまうんですね。
エピソード①「先輩から可愛がられるやつ=カースト上位」
野球部の場合、カーストは1年生の時にはすでに決まっていて、3年生の夏前くらいまではその決められた枠から変えることはほぼできないことが多いです。
そこで、はじめにカーストが決められるポイントは二つ。
「中学生の時に名前が知られているかどうか(能力があるかどうか)」と「カースト上位の先輩に可愛がられるかどうか」です。
特に、2つ目の威力はすさまじく、カースト上位の先輩と同じ中学校だったやつは、可愛がられやたらともてはやされ、基本的に能力はほぼ関係ない場合が多いんです。
僕の経験をお話しましょう。
先輩Aさんという威圧的で、目立ち、そして能力も高い人がいました。
その人は、先輩たちの中でも上位に君臨するいわば王様的な存在。その人に一言、言われれば僕ら後輩は「はい!」というしかないような状況でした。
ある日、試合の終わったあと、数人の同級生と先輩たちと話をしていて、急に「おい!矢野、お前全員分のジュースを買ってこい。」と言われました。そこには、同級生も数人いたのに、僕に指名がかかったんです。
そして、しぶしぶみんなの分のジュースを買ってくるとそこには誰もおらず、別の場所に移動をしていました。
その後、僕以外の同級生たちはカースト上位に上り詰め、僕は一気にどん底へと落とされました。
王様の掛け声に「はい!」としか言いようがなかった僕が、それを言われなかった同級生たちと一気に差を感じた瞬間でした。
エピソード②「努力しているやつがカースト上位というわけではない」
スポーツ関係だと、絶対に当てはまるのが「努力している」人が優位に立てるというわけではないということ。
なぜかといえば、「努力していても成果が出ないと評価されない」のです。
逆に、全然練習していないけど、なぜか結果が出るやつはほぼ確実にカースト上位に君臨していことが多いんです。
これは、僕の部活内でもあった話です。
ある同級生Bくんはすごく努力家で、毎日朝早くから練習に来て、バットを振って、昼休みもグランドに来て、バットを振って、部活中も一番に声を出して頑張っていました。
だけど、実戦の時にはなかなか結果が出ず、試合に出られる頻度もとてもすくなかったんですよね。
そして、そんな彼は結果が出せていないということに対してすごく劣等感を持っていて、部活内でも自分の思うことを言えなかったりして苦しんでいました。
いじられるのも嫌なのに、毎回いじられキャラに回っていて、なんかつらそうでした。
ある時に、勇気を持って「僕はこう思う!」って言った時があったみたいなのですが、笑われてあっけなく却下。
そうして、部活内カーストは自然と決まっていきました。
※この話は事実を元にしたフィクションです。
カースト下位から逃れたいなら、小さな成功体験を積み重ねること
僕自身もカースト下位にいたからこそ、カースト上位の人に対して劣等感をいつも持っていました。
別に優位に立ちたいと思っていたわけではないのだけど、この目立ってはいけないという空気からいつも逃れたいと思っていたのです。
また、部活内カーストの嫌なところは、上位にいる人も、下位の人も、それ以外の人も別にそうした構造を作りたいと思って作っていないという点が難しいのです。
誰か、原因を作っている人がいるなら、話は早いのだけど…
だから、カースト下位から抜け出すのには自分自身に自信を持つこと、成功体験を持つことが重要だと僕は考えています。
人に示せる、認めてもらえる「成功体験」こそが、自分自身に対して周りが感じる順位を上げることになるからです!
ちなみに、成功体験とは「試合で活躍する!」みたいなわかりやすい形でなくても良くて、「部活の練習に一番早く来て褒められた」みたいな小さなことからどんどん変えていけるんです。
今の自分にはできないと感じているその心が、自然にカーストを作り出してしまっているのです。
カースト自体から逃れたければ「嫌われる勇気」を持つこと
上記でも説明した通り、カーストが生まれる主な原因、それは「空気を読む」ということにあります。
自分はこのように振舞わなければいけない。
そうした、空気を読むことで起こる勝手な押し付けが相互に反応しあい出来上がっていくのです。
その中で生きていくことになんの抵抗もなく、自分の立場に対して疑問を持っていない人にとっては今のまま振舞うことをオススメします。が、ない方がいいと思っている人は抜け出して自由になっていいんです!
僕自信、そうできずに勝手に自分だけで苦しんでいたタイプなので。。。
そんな僕が今だから思う1つの方法、それは「嫌われる勇気」を持つことだろうなと思っています。
嫌われる勇気―――自己啓発の源流「アドラー」の教え 岸見 一郎,古賀 史健 ダイヤモンド社 2013-12-13
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今、話題のこちらの本にもそのようなことが書いてあります。
簡単に説明すると、「他人に嫌われるか、好かれるかそれはわからない。それはすべて他人の決めること。だから、他人に好かれるために生きる生き方をやめなさい。自分の生き方に勇気をもって進みなさい。」ということが書いてあります。
そう、スクールカーストの主な原因の「空気を読む」という行為、それは「他人にどう思われるか」ということが一番の重要なポイントなんです。
そうやって、自分と他人の間に見えない段階付けをすることで生まれるのが、「心理的カースト」なのです。
だから、そこから抜け出したいひとは、簡単ではないですが、自分のやりたいと思うことを信じてやってみてください。
まずは、そこからです。大きなことをやる必要は1ミリもありません。
あなたの小さな勇気が、自分を取り巻く周りの環境を一気に変え、自分に自信を持てるきっかけになるのです。
まとめ
スクールカーストは、本当に誰がつけた順位でもなく、勝手にそこに出来上がってしまいます。
でも、こうした段階分けによって、自分自身が出せず辛さを感じてしまう人は結構たくさんいるのではないかなと追うんです。
とくに、現代では、LINEやTwitterなどのSNSを使って、家に帰っても四六時中、空気を読まなければならない状況にある子はとても多いのではないかと思うのです。
「空気」という見えない悪魔から逃げ出すのはとても勇気がいります。
だから、すぐに変えられることでもないけれど、自分のできる一歩を踏み出し、周りの大人などにも頼りまくって、カーストから抜け出すことができる子がちょっとでも増えれば、今の学校や部活内の環境もより良くなっていくのでは無いでしょうか。
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NPO法人ひとまき代表理事
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