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妄想物語。〜田んぼの中のオタマジャクシ①〜

2015.05.20

ある日、僕はオタマジャクシと話すことになった。

田んぼと僕の戦い

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今年も5月になって、田んぼに水が張られた、田植えをするまでの約1週間。1年で1週間しかないこの時間は僕にとってかけがえのない時間。コンクリートで覆われてしまった街の中で飛んだり、跳ねたりできないが田んぼの中はそれが自由にできた。だから、ドロドロになりながらも、何も考えずに遊べる場所はここしかないのだ。

ある日、おばあちゃんが

今年もあんたに田んぼを盛り上げてもらう日がやってきたね〜。たんと遊んできなさい。

そのお墨付きをもらい、僕は田んぼへと走って行った。

田んぼに足を入れると、最初はひんやりと冷たいが徐々にその冷たさにも慣れてきて、5分もすれば、何も感じなくなる。そこからが田んぼと僕の戦いの始まりだ。

バシャバシャはしゃぐ度に僕の足は田んぼにズブズブはまっていく。僕は田んぼに足を取られる前に足を上げて、田んぼにはまらないように全力で腿上げをする。あと少しで田んぼの上を走れるのではないかと思えるくらい、僕の足は素早く動いていた。

これが毎年、僕と田んぼとの戦いなのだ。しかし、僕は未だに田んぼに勝てたことはない。
 

オタマジャクシ

僕のもう1つの敵はオタマジャクシ。こいつはとんでもないやつだ。

僕が田んぼと戦っている時に足にこびりつくように当たってくる。僕が足踏みをした瞬間に足の下に入って、足の裏をこちょこちょしてくるのだ。本当にとんでもないやつだ。 

だが、今日はその姿はあまり見えない。なんていい日なんだ。これで思い切り田んぼと戦えると思ったとき、どこからか声が聞こえてきた。

お前に田んぼに…ゲコ…入るなって…ゲコ…いってる…ゲコ

下を見るとそこには大量のオタマジャクシがいた。僕はオタマジャクシは嫌いではないけど、田んぼとの1年に1回の戦いを邪魔されるのだけは嫌だった。だから、木の棒で水面を叩きつけ、オタマジャクシが逃げるようにしたのだ。

ぐはっ…

また、何か声が聞こえたかと思うと、水面に1匹のオタマジャクシが浮いていました。僕は水面を強く叩きつけたときにオタマジャクシに当ててしまって、殺してしまったのだ。無性に喪失感と虚しさ、そして悲しさが全身を駆け巡った。
 

僕は無力な生き物を殺してしまったのだ。
 

共存、共生

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そして、今年は1度も田んぼと戦うことができないまま、田植えが始まった。僕はまだ無力な1匹の生き物を殺してしまったという現実から立ち直れずにいた。

田んぼを見ながらボーとしてたとき、こっちに向かってくる1匹のオタマジャクシが、

おい、お前。毎年、毎年この田んぼで暴れ倒して、俺たちの仲間を何匹も殺す怪物じゃないか!俺はお前になんか負けないぞ、いつでもかかってきやがれ!

僕はその声を聞いた瞬間その1匹のオタマジャクシが話しかけているんだとすぐにわかった。なぜ、オタマジャクシと話せるのかはわからない。しかし、そんな疑問を持つまでに僕はオタマジャクシに言った。
 

「この前のことは本当に謝りたい。ゴメンなさい。でも、僕と田んぼとの戦いを毎年邪魔するのはそっちの方じゃないか!今年も邪魔しようとしてたじゃないか!」
 

びっくりしたぜ、お前が話せるなんて知らなかった。何を言っているんだ。お前が遊び半分でバシャバシャ田んぼに入ってきて、踏んずけて毎年何匹の仲間が死んでるか。お前の足の下にいる仲間を助けたい一心で俺たちはお前に体当たりしてるんだ。今年もそうやって何も知らないまま、お前は田んぼに入ろうとした。だから俺たちが止めようと思ったんだ。

僕は自分の楽しみだけのためにたくさんの命を犠牲にしていることをその時初めて知った。こいつらにだって命があって、一生懸命ここで生きようとしていたのに、僕は僕の楽しみを邪魔する輩としか思っていなかったのだ。

お前知ってるか?俺らが微生物を食べたり、藻を食べたりすることで、田んぼの稲は病気にかかりにくい丈夫な稲に育っていくんだ。それを必要としているお前たちが俺たちを殺すことで自分たちの食べるものを減らすことにつながっているんだぞ。それをよく理解しておくんだな。

何かがいることで何かが守られている。何かを無くすと、何かが守られなくなる。そんな現実をこの時初めて知った。その後、僕は毎年オタマジャクシが出る前に田んぼで遊んでオタマジャクシが出てきたら遊ぶのをやめた。そして、そこからもうあの声が聞こえることはなかった。

 

っていう妄想の話だけど、オタマジャクシをバカにしちゃいけないよってのと、生き物から学ぶことってたくさんあるよねって話。でした〜笑

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